病めるときも

「ETVワイド ともに生きる」という番組を見た。
今週のテーマは「働きざかりのがん」。
肉親のひとりをがんで亡くしている私には、決して他人事ではない話題だ。


司会の小堺一機や出演者の洞口依子?ががん患者であることを、寡聞にして知らなかった。
ここ2〜3年、テレビ番組というものをほとんど見ないせいだと思うけれど、これは
かなり有名なことなのだろうか。それとも、たとえ芸能人であっても、がん患者で
あることを公表して仕事を続けていくのは、まだまだ難しいということなのだろうか。



私は『乳ガンなんかに敗けられない』をはじめとする千葉敦子氏の著作のファンであるのだが、
がんという病名の深刻さや病名を告げられるときに宣告と言われることなど、
彼女の闘病当時(昭和60年ごろ?)と、さほど状況は変わっていないのではないか、
と感じられることもあった。


番組中では、何人かのがん闘病中の患者やその家族が出演されていた。
患者も30代から50代の男女と、比較的若い人々だ。
家族や周囲の人々が患者をどう支えていくか、またがん患者の家族へのサポートは
どうすればいいか、治療にかかわる経済的問題はどうするか、と2時間の番組にしては
よくまとまった内容であったように思う。



ときどき、考える。
もし、今の私ががんになってしまったら。もしくは他の死に至る病にかかってしまったら。
今回の番組に出演されていたがん患者たちには、配偶者や子どもなどの家族がいるけれど、
ひとり暮らしですでに両親を亡くしている私には、頼るべき家族がほとんどいない。
パートナーもいないので、心の支えになってくれる人もほとんどいない。


まだかかってもいない将来の病気のことを考えるのは変かもしれないけれど、
切実にパートナーという存在がほしいと思うのは、こういう状況のときだ。
病気のとき。辛い状況のとき。よく言われるような、「嬉しいことは2倍に、
悲しいことは半分に」お互いを支えあえるような存在がいてほしいと思う。