「もっと悪女な奥さん」

内田春菊の「もっと悪女な奥さん」を読んだ。
昔出版された「悪女な奥さん」の続編にあたるのだろうか。

内田春菊氏については、私生活やその作品などが
どうも受け入れられないという人もいそうであるが、
個人的には私は好きである。

エッセイなどを読んでいると、実に真摯に仕事に取り組んでいて、
いいかげんな仕事をしている人間に腹を立てている箇所などを
読んでいると、「そうだ、そうだ」と言いたくなる。

内田春菊氏は、どうやら甘ったれで誰かに依存しないでは
いられないような人間が嫌いなようだ。
そういう人間に寄りかかられてばかりいては、そりゃ疲れるだろう。

で、「もっと悪女な奥さん」である。
前作を読んでも感じたことだが、私にはこの作品に出てくる
主人公達(新作では主人公が3人いる)は、ちっとも悪女に思えない。

自分のやるべきこと(仕事に片寄っているようだけど)を
責任もってこなしていて、余計な愚痴は言わない
まっとうな人間に見える。

とはいえ、いわゆる「世間一般の常識」から照らしてみると
「よくできた奥さん」とも言われないだろうとも思うけれど。