心の拠り所

ひとり暮らしもかれこれ10年以上になる。
ずいぶん長い間、自分以外の人間と生活をしていないなぁ、と
この頃しみじみ感じている。


もっとも、4年間ほど結婚して二人暮しをしていた期間もあったけれど、
大学に入学して以来のほとんどの年月はひとりで過ごしていたように思う。




他人に気を遣うことなく自分のペースで生活できること自体は快適で、
大きな不満も寂しさも感じることなく忙しく日々を送っている。



このまま一生、ひとりで生きていく覚悟もあるつもりだし、
そのための準備も少しづつ整えていこうとしている。
自分ひとりの食い扶持くらいはなんとか稼げる自信もある。
ひとりの人生が暗澹たるものだとは決して思ってはいない。



それでもときどき、胸にぽっかりと穴が空いたような気持ちに陥る。
ひとりの生活は楽しいけれど、ときには切ない。





しかし、いまさら結婚したいという気持ちはあまり持ち合わせていなくて、
ただ、これからの人生を一緒に歩むことのできるパートナーが欲しいとは思う。
つまり心の拠り所となる人が身近にいてほしいのだ。




要するに、私はさびしいのか?
不安な気持ちを抱えているから安心したいだけなのか?


しばらくの間、他のことでごまかすことなく、自分の心の奥にある気持ちに
きちんと向き合っていかないと、と思う。